こんにちは、Neuro Dive横浜スタッフです。
就労移行支援には「擬似就労」という活動があります。
仕事に近い環境を体験し、はたらくための力を身につけるための模擬的な就労訓練です。
期間は短いもので半日などですが、このたび Neuro Dive 横浜では、1 か月半ほどの期間に及んでの擬似就労に取り組みました。今回はその模様をお届けします。

取り組みの軌跡
テーマは「同法人内の別事業所について、アンケートデータを分析し体験メニューの運用改善に向けた提案をおこなう」ものです。アンケートデータの分析や現場視察をもとに、どのような課題があり改善策として提案できることはなにか、仮説検証と提案をおこないます。
チームは 4 名、就労経験や得意とする IT 知識を異にするメンバーが集まりました。
プロジェクトリーダーや顧客窓口担当、資料作成、スケジュール管理など、役割分担も決めたうえで臨みました。
また別事業所のスタッフが顧客役となり、現場で起きている課題や事業所の運営をどのように改善したいのか、リクエストを投げかけます。
顧客ヒアリング→要件定義→顧客とのすり合わせ→仮説検証→改善策検討→分析結果の説明と提案 といった流れで、顧客とのコミュニケーションを定期的に実施しながらプロジェクトを進めました。
分析に必要なデータが揃っておらず顧客に追加提供を相談したり、それでもなお分析できる範囲に限りがあり「顧客が求めている課題解決に必要な仮説検証ができない」と悩むことも。
「実際に顧客の事業所を見てみたらよいのではないか」「現状のデータでは分析提案に限界はあるが、将来的にそれが可能になるようにアンケートの改善提案をしてもよいのではないか」など、プロジェクトとしての方向性を何度もすり合わせながら進めていきました。
各メンバーの取り組みとゴール
プロジェクトの途中では、参加メンバーとの個別面談を実施しました。それぞれの思いや考えをお聞きし、プロジェクトリーダーを中心にお互いの疑似就労への取り組み方の認識すり合わせや役割分担の再確認をしました。
「リーダーとして頑張りつつ、他の人へ仕事を任せるのもいいかもと思えた」
「1人(リーダー)に頼りきりな面もあったので、もっとフォローをしていこうと思う」
「他のタスクがあるが、できる所はやっていきたい」
「データ分析について、難しいと思ったらメンバーにもアドバイスを貰いながら進めていきたい」
など、難しさや大変さを感じながらも、お互いの疑似就労へのモチベーションやできる役割を確認し、作業分担も明確にしながら納品に向けての追い込みをかけていきました。
そして11月中盤から始まったプロジェクトも、12月中頃の納品ミーティングでついに納品となります。
プロジェクトリーダーを中心に、各メンバーがアンケート分析の結果見えてきた現状の課題感や、現地取材をする中で紐解いた仮説の共有を行いました。そこからアンケートの改善案を提案、顧客側が現場ですぐに実行できそうな粒度まで落とし込むことができました。
顧客役スタッフからは「現状のアンケートデータから読み取れること、そこからの改善案、いずれも明確に説明してもらった。現場感とも大きなずれがない、納得感ある提案内容だった。顧客のニーズに応えるという観点をしっかり意識いただけたと思います。
せっかく具体的な提案をしてもらっているので、顧客側が実際にアクションとして起こせるよう、より具体的な優先度の提案など、工夫をしていくと更に良い」とフィードバックをもらいました。
実際に、チームの改善提案内容のうちすぐに実行できそうなものは議論を始めているそうです。是非、追跡調査やさらなる課題解決の提案ができるとよいですね。
参加者全員が初めての擬似就労という事でしたが、ここまでの取り組みに関して
「良い着地点となった」
「顧客対応が出来た」
「データの前処理が楽しい半分・大変半分だった」
「積み重ねていく内に良い取り組みとなっていった」
とそれぞれの視点で経験された事について振り返りをされています。
実りある経験の提供が出来て何よりです。
参加メンバーの皆様お疲れ様でした!!
ここまで読んでくださったあなたへ ~支援者より~
今回、Neuro Dive横浜の支援者としてプロジェクトに参加させて頂き、進捗の経過を傍で見守りつつ、適宜個別の面談やお声掛けなどのフォローをさせて頂きました。
それぞれの強みを活かしつつ、業務分担などもしつつ、当初の日程どおりに無事納品する事ができ、参加メンバーの皆さん本当にコツコツと頑張ってくださいました。
このように、実際の業務をイメージした訓練となるのが擬似就労です。
ビジネスを意識したマナーやコミュニケーションに苦手意識がある、就労した経験が少なくちょっと不安だな、という方が、サポートを受けながらも実践スタイルで経験を積む事が出来ます。
興味・関心がございましたら、まずはお気軽に説明会、体験に参加頂けますと幸いです。