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就職者

経験豊富な支援員のサポートが心強く、仲間の存在も刺激になった。

T.Yさん(20代)

  • Neuro Dive 秋葉原利用期間:約10ヶ月
  • 就職先
    ITエンジニア

Neuro Diveでの学習

  • 職業準備性講座で障害理解について深く学び、約9カ月かけて生活リズムを整えた
  • 卒業生から就職活動や職場のリアルな体験談を聞くことができ、就職活動の参考になった
  • 成果物発表会で他の利用者の発表に触発され、趣味でプログラミングの学習もスタート

特性に気づくきっかけは、指示語や曖昧な表現が苦手だったこと

大学ではコンピュータサイエンスを学びました。興味を持っていた分野は、コンピュータがどのように動いているかを理解する「論理回路」「コンピュータアーキテクチャ」「オペレーティングシステム」や、コンピュータが人間のように学習できるようにする技術全般の「機械学習」などです。特に、コンピュータシステムにおいてハードウェアに近い「低レイヤ」に関心がありました。
自身の特性に気づいたのは、卒業研究を進めている時期でした。きっかけは、所属していた研究グループの教授とのミーティング時に、教授が話す「これ」「それ」「あれ」などの指示語や言葉の省略、曖昧な表現を理解できなかったことです。教授の発言への理解に不安があるときは毎回確認していたのですが、教授にとっては低レベルに感じたのかもしれません。ある時「もういいや」と言われてしまい、それ以来教授に確認するのが怖くなりました。不明点があっても無理やり自分だけで補うようになり、教授の意図とは違うことをしたり、周囲に比べて卒業研究が遅れたりといった状況に陥ってしまったのです。「卒業研究が終わらないのでは?」という不安が大きくなり、精神的に体調を崩すようになりました。

診断を受けるまで「特性は自分の努力不足」だと考え、努力を続けていた

特性の一つに聴覚過敏があります。プログラミングの演習授業では周りの音が気になって集中できず、課題は下宿先に持ち帰って静かな環境で行っていました。また、文字を読む速さが最も時間がかかる場合で平均の4分の1程度遅いため、授業で急に配られた資料は時間内に読みきれず、その場で意見が言えなかったことを記憶しています。在学中は障害の診断をされていなかったこともあり、当時は自身の障害特性について「苦手なこと」という感覚を持っていました。「配慮」という言葉は想像もしませんでしたし、実家の家族や友人、大学関係者など誰にも相談せず、すべては自分の努力不足によるもので、さらに努力が必要だと考えていました。
精神科の医師から発達障害の可能性を伝えられ、再検査を勧められたことをきっかけに、大学4年生の1月に大学院進学を断念し、卒業。その後、あらためて発達障害を診断できる病院を受診し、正確な診断が下りました。

ニューロダイブの就職実績に可能性を感じ、利用を決意

卒業を間近に控えた時期に、実家の家族に発達障害の確定診断となるかもしれないと伝えました。母は私の就職についてハローワークに相談し、就労移行支援について教えてもらったそうです。コンピュータサイエンスを活かした仕事がしたいと考えていた私は、母から就労移行支援について聞き、インターネットで「IT」「就労移行支援」のキーワードで検索。先端IT特化型就労移行支援事業所のNeuro Diveを知りました。
Neuro Diveを選んだ決め手は、IT業界への就職実績です。Neuro Diveの他にも就労移行支援事業所の説明会に参加したのですが、IT業界への就職を希望していると伝えると、「そのような先端的な分野だと就職は難しい」と言われました。一方、Neuro Diveの説明会では、公務員などの異なる業界からIT業界に就職した人の事例を聞き、自身の就職についても可能性を感じました。IT業界への就職という目標に向けて、今できることから始めてみようと考え、Neuro Diveへの入所を決意しました。

職業準備性の重要性に気づき、今では朝の時間を有効活用できるまでに

通所期間は2021年9月15日から2022年7月29日までの約10カ月間です。職業準備性講座では障害理解について深く学びました。障害者雇用ではたらく上では「何ができなくて、どのような配慮が必要か」だけではなく、「自分ではどのような対処をしているか」も大事です。入所当初の面談では、生活リズムについて根気強く指摘してもらいました。支援員の方から「就労を意識するなら7時や8時には起床しよう」と言われて納得。朝9時過ぎに起床する生活を送っていましたが、9カ月ほどかけて生活リズムを整え、今では朝4時に起きて自分の好きな勉強をしています。また、就職活動フェーズの面談では障害を説明する書類について、はじめて読んだ人に正しく伝えるためには何が必要かを指摘していただき、より意識できるようになりました。実際に選考時の面接では、齟齬なく自分の障害について採用担当者に伝えられたと思います。
印象に残っている講座は「しゃべり場」です。しゃべり場では、Neuro Diveの利用者や卒業生と自由に話すことができ、困りごとを共有したり、アドバイスをおくり合ったり、とても有意義な時間を過ごせました。就職活動について、卒業生に自由に質問できたのは嬉しかったです。自分で「IT×障害者雇用」について調べても、なかなか情報は得られません。IT業界への就職を叶えた卒業生のリアルな体験談は、就職活動を進める上でとても貴重でした。例えば、インフラエンジニアに就職された方から「インフラエンジニアはドキュメントを読む機会が多い」と聞き、自身の配慮事項に入れた方がよいか検討できたのもよかったです。

エンジニアは一生勉強。だからこそ目指したのは「好き」を活かせる仕事

もともと興味関心が高い分野のITエンジニアとして内定をいただき、2023年4月に入社を控えています。就職活動では、内定先企業を含めて2社の選考を受けました。どちらもITエンジニアの求人ですが、内定先企業では障害者採用枠ではなく、一般採用枠の新卒採用に応募しました。障害については志望動機に記載したため、採用担当者には伝わっていると思います。一般採用枠での選考は、適性検査と英語のリーディングのWebテストを1回、グループディスカッションを1回、面接を2回受けました。選考時に他の応募者や面接官と話す機会も多かったのですが、みなさんこの分野が好きなのだと感じました。仕事において「好き」を共有できるのは最高だと思います。
入社後は、アプリケーションエンジニアとインフラエンジニアの両方を経験し、適性に合わせて職種が決まります。「エンジニアは一生勉強」といわれますが、私の場合、読むのが遅いという特性が故に、勉強となるとプライベートの時間をほとんど使うことになります。だからこそ、仕事を考える上でも素直に「好き」という気持ちを大事にしました。就職活動では未経験者可の求人を見つけるのに苦労しましたが、これまで学んできた低レイヤの知識を活かせるかもしれない職種ではたらけることに期待が膨らんでいます。

インフラエンジニアとして必要な知識を身に付け、難しい問題にも柔軟に対応できるようになりたい

入社後に携わる職種はまだ決まっていませんが、インフラエンジニア志望です。まずはソフトウェアや機器の使い方など表面的な知識の習得を目指します。その上で、より普遍的なITインフラの裏側にある仕組みを理解し、難しい問題にも柔軟に対応できる力を身に付けていきたいです。
Neuro Diveにはさまざまなバックグラウンドを持つ、経験豊富な支援員がいます。困ったときに相談すると必ずフィードバックをもらえて、とても心強かったです。IT業界への就職という同じ目標を持つ仲間の存在も良い刺激になりました。成果物発表会では他の利用者の発表に触発され、趣味でプログラミングを始めました。そのプログラムをエンジニアのコミュニティサイトに投稿したところ、多くの高評価をもらったのです。内定先企業の面接官にも投稿のアカウントを伝えていたのですが、「新卒でここまでやっている人はあまりいない」というお褒めの言葉をいただき、嬉しかったのを覚えています。
就労移行支援事業所は、説明会や体験だけではわからないことも多いです。私はNeuro Diveとの出会いによって「IT×障害者雇用」に関する有益な情報を得られましたし、目標に近づけました。利用を迷っている人には、「気軽に利用してみて、合わなかったらその時また考えればいいよ」と伝えたいです。