Best Practice
Neuro Diveの成功ストーリー
(就職者の声)
注意欠陥・多動性障害(ADHD)・
自閉症スペクトラム障害(ASD)の方のストーリー
Neuro Diveへ通われて内定・就職が決まった、さまざまな年代・障がいのある方の事例をご紹介します。
異動をきっかけに発病、退職。再就職をチャンスと捉え、先端IT領域に挑戦。
K.Yさん(30代)
- Neuro Dive 横浜利用期間:7ヶ月
- 前職:自動車部品メーカー設計業務
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就職先
株式会社日立製作所 本社勤労部(データ自動化・可視化・分析業務)
Neuro Diveでの学習
- Pythonの基本文法から入り、機械学習へとステップアップ
- メンタルコントロールの講座を通じ、自他ともに尊重する考え方を身に着ける
- 企業実習に全力で取り組み、その姿勢とスキルが評価され内定を獲得
異動先でミスが続いてしまい、発達障がいの診断
前職では自動車部品メーカーの研究開発と設計業務に携わっていました。8年間在職し、最初の6年間は研究開発系の仕事でしたが、人手不足から設計に異動となりました。異動先では職場の雰囲気や業務内容が大きく変わり、納期の問題や現場の管理など、マルチタスクが求められるようになりました。他部署の方との連携やスケジュール調整が発生し、それに対応できないストレスが大きかったです。
もともと複数同時業務が苦手だったので、切替えがスムーズにいかず仕事が遅くなってしまい、上司から度々指導を受けていました。無理に対応しようとスピードを優先して作業を進めた結果、不注意によるケアレスミスが多発してしまい、精神的にも追い込まれていきました。そこから自身に障がいがあるのではないかと疑い、精神科を受診し診断をうけました。上司には相談はしましたが、すぐには環境を変える等の対応は難しかったようで、このままはたらき続けるのは困難だと判断し、退職しました。
就職を先送りにしてでも、興味のあった機械学習を習得したい
再就職を考えた時に、特例子会社であれば障がいへの配慮を受けながら安心してはらたけると思ったため、障がい者枠での就職活動を考えていました。そんな中、ハローワークで就労移行支援制度について聞き、ネット検索でNeuro Diveの存在を知りました。前職で研究開発に携わっていた時に、統計や機械学習を使ったテクニカルなビックデータ解析が出来たら、と思っていたので、興味をもっていた機械学習が学べる就労移行支援事業所があることに衝撃を受けました。
そこからは、「今の自分が無理せず出来る範囲の仕事」へ向けた就職をめざすのは一旦保留にして、集中してITスキルを習得し、先端IT領域への就職を目標にしました。早速説明会に参加し、Neuro Diveは学習の方針やカリキュラムがしっかり考えられていることも信頼出来ましたし、Udemyを学習プラットフォームとして使っているところにも魅力を感じました。また、就職へ向けた準備についてもdodaチャレンジを運営しているパーソルダイバースであれば、障がい者雇用に関するノウハウがあり、サポートも手厚いと考え、体験利用を経て利用を決めました。
理想の就職へ向けて、伴走してくれるITアドバイザーと支援員の存在
私は2021年7月1日のNeuro Dive横浜開所と同時に利用しはじめました。Neuro DiveはITアドバイザーと支援員の方がともに伴走してくださるので、安心して学習する環境が整っています。
ITスキルの学習は、最初にPythonの基本文法から入り、機械学習へステップアップしていきました。ITアドバイザーの方から講師という立場で技術面のサポートを受けられるだけでなく、第一線で活躍されている現役データサイエンティストの視点で、成果物に対して意見をいただけたので、取り組む目的やどんな企業をターゲットとして想定しているか、予想される効果などに関して議論を深めるうちにビジネス的な思考が養われたと思います。
ビジネススキルの学習については、特に役に立ったのがアサーションやリフレーミングといったメンタルコントロールの講座です。通所する前は、自分でメンタルコントロールをする意識がなかったので、新たな発見があり新鮮でした。この講座を通じて、相手への思いやりだけではなく、自分に対しても肯定的に捉え、自他ともに尊重していく考え方を身に着けられました。このスキルによって、就労後も安定してはたらいていくことが出来ると感じています。
担当支援員の方には、週に一度面談を実施していただきました。学習目標の進捗確認や精神面のケア、悩み相談や模擬面接など、何でも相談できる頼りになる存在なので、安心してスキル習得や就職活動に専念出来ました。
やると決めた以上は全力で。企業実習で高評価をいただき内定獲得へ
今回内定をいただいた株式会社日立製作所では人事業務に関わるデータ自動化・可視化・分析業務に携わります。2021年度に発足した業務プロセス改善チームに、新たなメンバーとして加わることになります。
内定までの選考は、企業実習に参加する為の実習選考会(事前課題の発表と面接)、9日間の企業実習での成果発表、その後最終面接といった流れでした。実習選考会の事前課題については、インターネット上から政府の公開データを可視化し、その結果に対して考察を行うというものでした。形式については自由で、「誰が見てもわかるように、どのように可視化をするか」がポイントでした。私は指定されたツールの特性を活かし、リアルタイムで情報を切り替えられる機能を活用して、説明に必要な情報だけを見せるシンプルな構成で発表しました。
その後参加した企業実習の内容に業務効率化がありましたが、私はそれまでNeuro Diveで機械学習を中心に学習してきたので、業務効率化ツールの知識があまりありませんでした。指定されたツールは事前課題の際に使用したのみでしたので、焦りや不安はありましたが、参加すると決めた以上は全力で取り組もうと、必死でした。その結果充実した時間になり、スキルアップに繋がったと感じています。最終日には、社内で実際に扱っているデータを使った分析結果について成果発表を行いましたが、多くの方が興味を持ってくださり、たくさん質問をいただきました。実習を支援いただいた方も一緒になって喜んでくださり、とても温かい雰囲気の会社だと感じました。いただいた感想の中で特に印象に残っているのが、「専門的な内容なのに、ロジカルな説明で内容がスッと入ってくる」と評価をいただけたのはとても嬉しかったです。
実習中は個別にサポートしていただき、困りごとや不明点などは適宜チャットツールを使ってすぐに相談できる環境でした。とても丁寧な対応をしていただき、安心して実習に取り組めました。また、毎日朝・夕にミーティングを実施しており、詳細な報告や相談事項についてはその場で議論を交えながら、細やかにフィードバックをいただけたことも有難かったです。
自身のキャリアプランと一致する、理想の会社と巡りあえた
実習では配属先となる人事部門で、業務の課題感を見据えながら取り組んでいたので、企業ではたらくイメージがより鮮明にもてるようになりましたし、実習で取り組んだRPA等のITツールを活用した業務自動化や、社内データ分析は自身のキャリアプランに一致しており、業務のやりがいや面白さを感じていました。
また、職場の雰囲気がとても良く、安心してはたらいていけそうだと感じ、面接でも改めて日立製作所ではたらきたい気持ちをお伝えしました。入社後は業務プロセス改善がメインになるので、今は就職までの間に業務効率化ツールの学習を進めています。目標は部署全体でより広範囲な業務効率化を推進していくことです。将来的にはAIとRPAを組み合わせた高度な自動化もめざしていきたいと考えています。
新しいことへの挑戦意欲を持ち続け、常に自分をアップデートしていきたい
Neuro Diveを利用する前は「自分に務まる仕事があるのか」、「未経験でやっていけるのか」と不安になる時が多くありましたが、企業実習を通じて学習してきたことがビジネスの現場で活かせると自信を持てるようになりました。ずっと勉強してみたかった機械学習やプログラミング等のITスキルが身に付き、セルフコントロールが上手くなりましたが、何より、理想的な企業に出会い、内定をいただけたことに心から感謝しています。
長くはたらくためにもまずは焦らずに、安定就労を第一に意識していきたいと思います。その上で、新しいことへの挑戦意欲を持ち続け、時代の変化に合わせて柔軟にアップデートしながら、スキル面でも人間性の面でも、会社から信頼されるようになって、部署全体を巻き込みながら仕事が出来たらと思います。
障がいのある方は、職場での失敗経験や生活への不自由さ等から、私のように自分に自信がもてなくなってしまった方が多いのではないでしょうか。ですが、先端IT領域への興味があり、それを仕事にしていきたいと考える気持ちが少しでもあるのなら、自分の能力の限界を最初から決めてしまうのではなく「やってみなきゃわからない」という気持ちで、まずは挑戦してみることをお勧めします。意外とITの素養が高いなど、自分に向いた仕事が見つかるかもしれません。視野を広げ、活躍できる領域を見つける為にも一度Neuro Diveを検討してみてはいかがでしょうか?
※株式会社日立製作所の表記ルールに合わせ「障害」の「害」の字をひらがな表記とし「障がい」と記載しております。