Neuro Diveでは、AIや機械学習・データサイエンス・RPAのスキルを現場で活かせる実践型のIT人材を育成しています。そのため、受動的な学習だけでなく、課題解決能力を磨くための能動的なアクティブラーニングを実施。実際のビジネス現場に近い開発の流れを体験するポートフォリオ作成や、チーム業務に必要な協働を学べる擬似プロジェクトもその一環です。今回は、Neuro Dive渋谷で実施した擬似プロジェクトの模様を紹介します。

目次
Neuro Diveの擬似プロジェクトとは
Neuro DiveのITスキル学習では、利用者が一人で黙々とスキル習得に励み、個別にコンペ参加や制作物作成に取り組むなど、自走力を養います。しかし、実際にはたらく現場ではチームでプロジェクトを遂行することも多く、チームワークなどのソフトスキルが不可欠です。擬似プロジェクトとは、要件定義からリリースまで一連の開発工程にチームで取り組み、個別学習では得られない経験値の獲得を目指すものです。また、チームプロジェクトの経験を、のちの就職活動でも自身のアピールポイントとしてほしいという願いも込めて実施しました。
目的とテーマを設定しゴールを明確化
擬似プロジェクトでは、まず以下の目的を設定しました。
【目的】
- 就労後のはたらき方を想定して、チームワークを経験する
- 専門分野の異なるメンバー間で知識を共有し、得手不得手を補完する
メンバー間で、「できること」「やりたいこと」「得手不得手」を理解するところからスタート。チームに不足している要素や大事にしたい軸を整理しました。
また、目的達成に向けたグランドルールを下記のように取り決めました。
【グランドルール】
- アウトプットを意識する
- 心理的安全性は自分たちでつくる
開発段階からクライアントやユーザーへのアウトプットを意識することで、インプットの質を高められます。また、「意見を率直に表明できる環境は自分たちでつくる」という姿勢は、アサーティブ・コミュニケーションの活性化や価値観のすり合わせにつながりました。
さらに、スケジュール管理やソースコード管理の認識を深めるため、座学を設定。メンバー内で相互支援の体制を整えていきました。
メンターは現役エンジニア
日本最大級のAIコミュニティである「CDLE*¹」の有志グループ(生成モデル)がメンターとして参加。ビジネスにおけるデータ分析に欠かせない思考法やフレームワークを伝授します。講義の前にアイスブレイクを挟むなど、雰囲気づくりも重視しています。最前線で活躍する現役エンジニアの生きた知識に触れながら、実践の場をイメージできます。
*¹CDLE(シードル:Community of Deep Learning Evangelists)とは、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施するG検定およびE資格の合格者が参加する日本最大級のAIコミュニティです。

ビジネス視点を重視した役割分担と要件定義を実践
実際の職場環境を想定し、メンターの矢野さんを上司と仮定してプロジェクトを進行。
上司の要望は、「渋谷区のオープンソースデータを分析し、施策に有益な提言を行う」というもの。メンバーはさまざまなデータを検証していくなかで、幼年期人口の流出が流入を超過している点に着目。住宅事情や治安などさまざまな理由が考えられますが、保活(保育園探し)の難しさを課題として設定しました。
区の公式ホームページでは保育園の情報が分散しており、通園距離や夜間保育の有無といった条件で検索することができません。特に、区の地理や情報に疎い転入世帯の場合、保育園探しに苦慮するケースが考えられました。保活をサポートするアプリケーションの開発は、少子化対策の充実強化につながります。そこで、アプリ開発には以下のテーマを設定しました。
「保育園探しをもっと簡単に」
プロジェクト全体の流れ
実際のプロジェクトは、チームワークを高めるためのオリエンテーションと座学からスタートし、互いの強みを理解した上でToDoを設定しました。分析・開発フェーズでは、「どのようなターゲットユーザーなのか」「エンゲージメントを高めるにはどのような機能を搭載すべきか」「アプリケーションによって区の課題解決につながるか」などを検証。上司との定期的なミーティングの場で進捗報告と技術面の相談を行ないました。
タスク管理や報連相、心理的安全性など、さまざまな面でほころびが生じる場面もありましたが、そのたびにメンバー内で意見を共有。挑戦と失敗経験を重ねながら、プロジェクトを前進させました。発表会に向けたプレゼンテーション資料作成では、ビジネス視点を重視しながら表現をブラッシュアップ。IT未経験者にも伝わる資料を作成しました。

対クライアントを想定した発表会(プレゼン)
約4カ月のフェーズを経て、データ分析からアプリケーション構築まで完成しました。区内の保育園情報を集約し、さまざまな観点から絞り込み検索ができる地図アプリです。地図上で「私立」「区立」「こども園」などの位置がひと目でわかるインターフェースと、アイコンやボタンを用いた直感的な操作性が特徴。ワンクリックで園の基本情報や空き情報などを表示でき、保育園探しや問い合わせ手続きの効率化を図っています。

発表会では、今後の展開可能性についても紹介されました。「企業主導型保育施設」や「待機児童向け特別枠」など、より踏み込んだ情報の追加。「一時保育」や「病児保育」など緊急時の保育情報も追加すれば、幅広いニーズに応えられるという説明でした。また、レスポンシブデザインやお気に入り登録など、機能面を充実させる余地についても言及されました。
振り返りを通じて成長を実感
発表会終了後、KPT法(振り返りのフレームワーク)を活用して振り返りを行いました。「新しい技術に触れられた」「就労に近い形でチームワークを実現できた」など、成長を実感する声が多く寄せられました。一方で、「技術的なスキルの不足を感じた」「報連相がうまくできない場面があった」など、さまざまな反省点も挙がりましたが、自身の現在位置や特性を見直す良い機会となったようです。

最後に
プロジェクトメンバーが学ぶ領域は、「AI・機械学習」や「デジタルマーケティング」などそれぞれ異なります。各人が得意分野を担いながら全体把握を行うことで、深い知見や新たな技術を獲得する好機となりました。今回のアプリケーションは、模擬プロジェクトの枠を超えて区に提案しても良いのではないかと思えるほど完成度の高い仕上がりでした。メンバーは、就労に向けて自信を深めたようです。
今後もNeuro Diveでは、講座で学んだ理論を実践に結びつける能力を重視していきます。今回は東京渋谷で行われたプロジェクトをお伝えしましたが、今後も各事業所で実践の場としての機会を増やしていく予定です。
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