資料
ダウンロード
無料WEB説明会へ
申し込む
WEB説明会
申込

2025.09.13

コラム

 

【大人の発達障害】考えを言葉にできない原因と明日からできる対処法

「自分の気持ちや考えをうまく言葉にできず、伝えるのに時間がかかってしまう」という経験をしたことはありませんか?このようなコミュニケーションの難しさは、その人の性格や経験だけでなく、認知特性や脳のはたらき方に起因する場合もあります。

なかには、大人になってから発達障害の特性に気づき、適切な理解と対応によって、職場でのやりとりがぐっとスムーズになるケースもあるでしょう。 本記事では、考えを言葉にできない原因や対処法、職場でのコミュニケーションを円滑にするコツを紹介します。

【大人の発達障害】考えを言葉にできない原因と明日からできる対処法

考えを言葉にできない悩みは、特性理解と工夫で乗り越えられる

「言いたいことは頭の中にあるのに、うまく言葉にできず、伝えるのに苦労する」という場面に直面する人は少なくありません。

このようなコミュニケーションの難しさには、性格や経験だけでなく、脳のはたらき方や認知の特性が関係していることがあります。例えば、ADHDのある人は注意が散りやすく、思考があちこちに飛びやすい傾向があり、ASDのある人は情報の整理に時間がかかることがあります。その結果、自分の考えをまとめて言葉にするのが難しく感じることもあるでしょう。

しかし、考えを言葉にできない悩みは、特性を理解した上での工夫やトレーニングにより乗り越えることも可能です。

また、職場においては、「考えを言葉にできない」特性への理解を求め、コミュニケーションや指示の仕方について配慮してもらうことも重要です。こうした悩みを抱えている場合は、支援機関やサービスの利用も検討してみましょう。

考えを言葉にできない原因は「大人の発達障害」?

考えを言葉にできない原因は、人によりさまざまです。自分に自信がなく意見を言うことを躊躇してしまう人もいれば、緊張で言葉がうまく出てこないという人もいるでしょう。

その一方で、こうした悩みの背景に、ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などの発達障害が関係している場合もあります。

発達障害のある人は、特性により、コミュニケーションに困難を感じやすい場合があります。具体的には、それぞれ以下のような特性が影響している可能性が考えられるでしょう。

ADHD:思考が発散し、まとまらない

ADHDの特性のひとつである「不注意」により、ADHDのある人はものごとに集中し続けることが難しい傾向があります。意識があちこちに向きやすく、ひとつの思考に焦点を絞り続けることが難しいため、自分の考えを整理して言葉にするのに苦労することがあるでしょう。人の話を集中して聞くことが難しく、途中で注意がそれてしまうこともあります。

また、ADHDのある人は、頭に浮かんだことをそのまま口にしてしまう傾向があります。この特性により、話の流れや文脈に合わせた発言が難しく、会話がかみ合いにくくなることもあるでしょう。

ASD:情報処理と「翻訳」に時間がかかる

ASDのある人は、頭の中で情報を整理し、理解するまでに時間がかかる傾向があります。とくに、抽象的な概念やあいまいな表現を捉えることが難しく、自分の考えや気持ちを言葉にするのに苦労することがあります。

また、表情や声のトーンといった非言語的な情報を読み取ることが難しい場合もあり、相手の気持ちを汲み取って発言することに困難を感じる人もいるでしょう。その結果、意図せず対人関係で誤解やすれ違いが生じることもあります。

考えを言葉にするための具体的な対処法

発達障害の有無にかかわらず、自分の考えを言葉にすることが苦手だと感じる人は少なくありません。背景には緊張や自信のなさ、情報処理の特性など、さまざまな要因が考えられますが、多くの場合、訓練や工夫によって改善や対処が可能です。

考えを言葉にする力を高めるための具体的な対処法を4つご紹介します。

自分の考えをまとめる練習をする

考えを言葉にする力は、日々の訓練によって高めることができます。1日5分でもよいので、自分の考えを整理してアウトプットする習慣をつけてみましょう。アウトプットの方法は「手帳に書く」「SNSに投稿する」「家族に話す」など、自分に合うやり方で問題ありません。

はじめからうまく言葉にしようとせず、まずは言語化の習慣を身につけることを意識することが大切です。自己表現の機会を増やすうちに、少しずつ考えをまとめる力が育っていきます。

発言の前に一呼吸置く

焦って言葉が出てこない、的外れなことを言ってしまう場合は、発言の前に一呼吸置くことを意識してみましょう。一呼吸置くことで、頭のなかで発言内容を整理する余裕が生まれます。事前に話す内容を準備しておけば、発言の途中で言葉に詰まる場面を減らせるでしょう。

また、深呼吸をすることで気持ちが落ち着き、リラックスして話しやすくなる効果も期待できます。

結論や要点を確認する

会話が長くなると、話の結論や要点が曖昧になり、自分の考えも整理しにくくなることがあります。そうしたときは、相手の話の要点や結論を確認することで、理解が深まり、自分の意見もまとめやすくなります。

ただし、同じ内容を繰り返してもらうことになるため、「お手数ですが」「もう一度確認させてください」などの枕詞を添えると、丁寧な印象になります。

文章で伝える

口頭で考えを伝えることが難しいと感じる場合は、メールやチャットなどの文章でのコミュニケーションを活用するのも有効です。文章にすることで、頭の中の情報を整理しやすくなり、自分の考えを客観的に見直すことができます。

また、口頭でのやり取りが必要な場合も、一度紙に書いてから話すようにすると考えをまとめやすいでしょう。自分に合った表現方法を選ぶことで、伝える力を少しずつ育てていくことができます。

職場でのコミュニケーションを円滑にする方法

ADHDやASDなどの発達障害がある人は、上司や同僚とのやりとりに悩みを抱えるケースが少なくありません。ここでは、職場で円滑にコミュニケーションを取るための具体的な方法を紹介します。

自分用のマニュアルを作成する

発達障害のある人にとって、会社のマニュアルは内容が理解しづらかったり、意図がつかみにくかったりすることがあります。自分の特性に合わせたマニュアルを作成すれば、業務上のすれ違いが起こりにくくなり、円滑なコミュニケーションを実現しやすくなります。

たとえば、ASDの特性により曖昧な表現を理解しにくい場合は、具体的な作業内容を明記するなどの工夫が有効です。なお、自分専用のマニュアルは、職場の人に内容を確認してもらったうえで活用しましょう。

指示は要点を確認して認識のズレを防ぐ

発達障害のある人は、上司からの指示をうまく理解できず、認識のズレが生じることがあります。指示を受ける際は、要点を確認して認識を合わせることが大切です。

また、報告・連絡・相談が苦手な傾向がある場合は、指示内容を再確認したいときや、分からないことを質問したいときに困らないよう、誰に・いつ・どのように相談すればよいのかを、事前に確認しておくと安心です。

自分に合った方法で記録をとる

発達障害のある人は、文字や音声など、特定の情報形式を苦手と感じることがあります。

たとえば、文字情報が理解しにくい場合は写真や図を活用する、音声情報が理解しにくい場合はICレコーダーに録音して聞き返せるようにするなど、自分の特性に合わせた記録方法を選ぶことが大切です。

職場に理解を求める姿勢も大切

発達障害のある人が円滑なコミュニケーションをとるためには、「なるべく具体的に指示を出してもらう」「絵や図を使って説明してもらう」など、職場の人の協力が必要な場面も少なくありません。

障害者雇用促進法の改正により、企業には障害のある従業員への合理的配慮が義務付けられています。コミュニケーションにおける配慮が必要な場合は、苦手なことや、協力してほしいことなどを自分から伝えることも大切です。

支援機関・サービスの利用もおすすめ

ADHDやASDの特性により職場でのコミュニケーションに悩んでいる場合は、発達障害者向けの支援機関やサービスの利用も検討してみましょう。具体的には、以下のような相談先があります。

  • ・発達障害者支援センター
  • ・精神保健福祉センター
  • ・地域障害者職業センター
  • ・障害者就業・生活支援センター
  • ・就労移行支援事業所

たとえば就労移行支援事業所では、就労に必要な知識・技術の習得から求職活動、就職後の定着まで一貫したサポートを受けられます。職場でのコミュニケーションに悩んだときは、専門的なアドバイスを受けることも可能です。

専門的サポートならNeuro Diveへ|発達障害の特性を強みに変える

考えを言葉にすることが苦手な人のなかには、ADHDやASDなどの発達障害のある人もいます。しかし、適切なトレーニングを重ね、職場からの配慮を得ることで、コミュニケーションの課題を解消することは十分可能です。

発達障害のある人がはたらきやすい職場をお探しなら、就労移行支援サービスの「Neuro Dive(ニューロダイブ)」の活用をぜひご検討ください。

Neuro Diveは発達障害のある人を対象に、先端IT人材としてのキャリア形成を支援する就労移行支援事業所です。ADHDやASDなどの特性は、AIやデータサイエンスなどの先端IT領域において強みになる可能性があります。 Neuro DiveではITスキルだけでなく、ビジネススキルやコミュニケーションスキルの研修を受講できます。また、ストレスコントロールや体調管理など、長く安心してはたらくためのスキルも習得可能です。