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2026.04.01

コラム

 

ASDのある人は本当に記憶力が高い?強みと苦手を正しく理解する

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ASDのある人は、興味や関心がある分野と視覚で覚えた項目への記憶力が長けているといわれています。記憶力の高さは、メリットにもデメリットにもなり得ます。この記事では、ASDのある人が記憶力の高さを活用するコツや記憶力が高い理由などを解説します。

ASDのある人はなぜ記憶力が高いと言われるのか

ASDのある人は、記憶力が高いといわれることが多くあります。記憶力が高いとされる理由を、4つに分けて解説します。


興味関心がある分野の長期記憶が非常に強い

ASDのある人は、短期記憶よりも長期記憶に優れている傾向が高く、特に、興味や関心がある分野の長期記憶が強いといわれています。これは、ASDのある人が持つ、限定された分野への興味、こだわりが強いという特性によるものです。興味や関心があるものに深く集中できるため、対象となる情報を長く記憶できます。


視覚情報を中心とした記憶が得意

ASDのある人は、視覚優位である場合が多く、目で見たものを処理する能力が高いといえます。メモに書かれた情報を一瞬で覚えたり、複雑な資料の細部まで認識できたりと、視覚情報の記憶が得意です。ASDのある人のなかには、「カメラアイ」と呼ばれる瞬間記憶能力を持つ人もいます。情報を詳細に処理し長く覚えておける点が特徴です。


パターン・構造を記憶として捉える力が高い

ASDのある人は、複雑な情報でもパターンや構造に落とし込みルール化することで、情報を整理して記憶できます。ルーティンや忠実なルールを好むことから、電車の時刻や過去の曜日、就業規則などを細かく覚えていられます。また、一度覚えたことを忘れず忠実に実行できる点も特徴です。


感覚の鋭さが記憶の定着につながる場合がある

ASDのある人は、視覚や聴覚、触覚といった感覚が鋭い傾向にあります。文字や数字といった概念ではなく、においや景色など、より強く印象に残ったものを情報として脳にインプットできます。特に、苦手な感覚はストレスに感じやすく、強く印象に残るという特徴があります。


記憶力の高さが活きる場面・メリット

ASDのある人が持つ記憶力の高さは、さまざまな場面で活用できます。ASDのある人の記憶力の高さを活かせるポイントを解説します。


専門知識を深く覚え、使い続けられる

特定の興味や関心がある分野に、高い集中力がある特性を活かすことで、専門知識を深く覚えられます。そのため、専門知識が必要な分野やジャンルで活躍できるでしょう。ルーティンや繰り返しの行動を好むことから、同じ情報の反復学習も苦になりません。専門知識を深く学習できるため、暗記が必要な項目の定着もスムーズです。


ルールや手順が決まった業務を正確にこなせる

ASDのある人は、ルールを守り、ルーティンを忠実にこなす力に優れています。複雑な項目や情報でも、パターンやルールを認識することで、情報を整理し記憶できます。専門家顔負けの知識量がある人も少なくありません。ルールや手順が決まっている業務やルーティンワークを正確にこなせるため、周囲から高い信頼を得られます。


IT・データ・技術分野で強みになりやすい

ASDのある人は、妥協せずにものごとに根気強く取り組めるという特徴があります。興味や関心があるジャンルや分野であれば、他人が途中で飽きたり投げ出したりする単純作業や反復作業でも、何時間でも集中して取り組めます。地道にコツコツと取り組める姿勢は、IT・データ・技術分野での強みです。

手順に沿った業務や細部への注意が必要な業務にも、ASDのある人は向いています。AI/RPA/データ分析などのITの知識や専門性が求められる分野で、活躍が期待できるでしょう。


ASDのある人が記憶で困りやすい点

ASDのある人が持つ記憶力の高さが、ときには負担になることもあります。記憶力がよいことで困る点を解説します。


必要のない情報も覚えてしまう

ASDのある人は、覚えておくことと、忘れることを自分の意思で決められません。覚えておく必要がないことが忘れられないという人は、多くいます。多くの情報を細部まで記憶できることから、不要な情報まで取り込んでしまいます。また、一度取り込んだ情報を新たに付け加えたり、情報を更新したりすることが難しいことも、困りごとのひとつです。


嫌な記憶が残りやすく、切り替えが難しい

ASDのある人は、嫌な記憶であっても忘れずに頭に残ってしまいます。嫌な思い出があるときにいた人に会ったり、同じ匂いを嗅いだりすると、それがきっかけで、過去の嫌な記憶が思い出されます。過去の気持ちを思い出して、気持ちがしずんだり、後ろ向きな気持ちになったりします。

ASDのある人は「〇〇すべき」「〇〇の場合は、××であるべき」と完璧思考が強く、気持ちの切り替えが苦手なためです。


短期記憶や口頭指示が負担になりやすい

ASDのある人は、長期記憶は得意ですが、一時的な記憶である短期記憶の維持は得意ではありません。また、口頭指示を聞き間違えたり、誤った解釈で理解したりすることも多く、トラブルの原因にもなります。口頭指示で得た情報を脳内にとどめておくことが苦手です。そのため「聞き間違えていないか」「本当は、〇〇といわれたのではないか」など、不安に感じる人もいます。

例えば、口頭で「〇〇をして、Aがきたら、Bをしておいて」という指示は、最初の「〇〇をする」の部分しか記憶に残らず、「Aがきたら、Bをする」という部分は、聞き逃してしまいます。


「記憶力が高い=何でも覚えられる」わけではない

記憶力が高いからといって、ASDのある人が手あたり次第、なんでも覚えられるわけではありません。ASDのある人でも記憶に定着しにくい場合について解説します。


興味のないことは記憶に残りにくい

ASDのある人は、基本的に興味や関心があることに高い記憶力を発揮します。言い換えれば、興味や関心がないものに意識を向けることは苦手で、覚えておくことができません。ASDのある人が持つ、興味や関心が薄いジャンルや事柄に対し、注意力や記憶力が弱くなるという脳の特性のためです。

ASDのある人は、興味の幅が狭く、限定的なため、相手の話を集中して聞くことが負担になるため、人にいわれたことを忘れたり、やるべきことが頭から抜け落ちたりしてしまいます。


過集中によって周辺情報が抜け落ちることがある

ASDのある人のなかには、1つのことに過度に集中する「過集中」の特性を持っている人もいます。興味や関心があったり、こだわりがあったりする分野、ジャンルのものに夢中になると、寝食を忘れて没頭する人も少なくありません。過集中の状態になると、周囲に意識を向けることが難しくなるため、ほかの指示や周りの状況など、周辺情報を見落とすことがあります。

そのため、忘れっぽいといわれることもあります。興味や関心が向かなければ、日常生活や社会生活に必要なことであっても、集中できません。


環境や伝え方によって定着度が大きく変わる

ASDのある人は、ワーキングメモリの働きが弱いため、会話をするときに相手の話の内容を頭の片隅に置いておいて、あとで適切な回答をするといったことが苦手です。そのため、一旦覚えておき、あとで情報を活用するといった環境においては、情報を覚えていられません。

また、ASDのある人は口頭で伝えられる情報を覚えておくことも得意ではありません。順序を前後して話されたり曖昧な表現をされたりすると、上手く処理できない人もいます。


ASDのある人が記憶力を活かす・補うための工夫

ASDのある人は、記憶力を活かしたり補ったりすることで、自分の得意を増やしたり、苦手を克服できたりすることもあります。3つの工夫を解説します。


視覚化(メモ・図・写真・画面キャプチャ)

ワーキングメモリや短期記憶が弱いことで起こる困りごとには、メモ・図・写真・画面キャプチャなどによる視覚化が有効です。口頭で指示されたことや相手との口約束、今日の予定、持ち物などを忘れないようにメモを取ると、覚えていられる確率が高まります。

前述の通り、視覚情報の処理が得意なため、目でわかるようにする対策が有効です。説明を口頭でなく、文章で伝えてもらうようにする、内容を理解する際はまず図表を見るといった工夫で、理解度が高まります。


興味や意味づけとセットで覚える

ASDのある人は、興味や関心がある分野には高い記憶力を発揮するという特徴を持っています。興味や関心があることと物事を結びつけることで、記憶に残りやすくなるでしょう。意味づけして覚える方法もおすすめです。バラバラに散らばっている記憶を意味づけすれば、流れとしてつながるようになり、覚えやすくなります。


ルーティン化・仕組み化する

記憶したいことをルーティンに組み込む工夫もおすすめです。ASDのある人は、決まった過程や手順を好むため、ルーティンに組み込むことで長期記憶が形成されやすくなります。また、マニュアルを整備するなどし、仕組み化することも有効です。ASDのある人が持つ、ルールを確実に守る姿勢を活かすことが重要です。


Neuro Diveで、その記憶力を強みに変えてみませんか?

ASDのある人は、興味や関心のある分野への集中力が高く、視覚情報の処理能力に長けているため、長期記憶に優れている傾向にあります。一方で、興味や関心のない分野や口頭での指示を覚えておくことは得意ではありません。視覚化したり、興味のあるものと結びつけたりするなど、記憶力の高さを活かせれば、自分の得意分野が増え、困りごとも減らせるでしょう。

ASDのある人は、記憶力が高く、興味のあることに集中して取り組めるため、IT・データ・技術分野で強みになります。Neuro Diveでは、AIやRPAといった「先端IT」領域を学び就職を目指せる就労移行支援を行っています。記憶力を強みに、AI(機械学習)やデータサイエンス、RPAなどの先端ITを学んでみませんか。詳しく知りたい人は、説明会にご参加ください。