
IT業界では人材不足が続く一方で、障害者雇用は十分に進んでいない現状があります。業務特性やはたらき方、企業側の受け入れ体制など、さまざまな要因が影響しています。
この記事では、IT業界で障害者雇用が進みにくい背景を整理し、雇用拡大に向けた具体的な取り組みや、実際の活躍事例をわかりやすく解説します。IT業界ではたらくことを検討している人は、参考にしてください。
記事のポイント
- IT業界の障害者雇用の現状と、チャット相談が果たす役割
- 障害のある人がはたらきにくいと感じる背景と、その解消につながる視点
- アプリテストやアノテーションなど、実際に活躍している業務領域と事例
- 採用・定着に向けた企業の取り組み
- 就労移行支援「Neuro Dive」のチャット相談・オンライン面談の活用法
目次
IT業界の障害者雇用の現状とチャット相談の役割
厚生労働省が発表した「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」によると、IT業界を含む「情報通信業」の法定雇用率達成企業の割合は28.5%にとどまっています。製造業(53.9%)や医療・福祉(55.4%)と比べると、IT業界の障害者雇用は低い水準です。
一方で、近年はチャット相談やオンライン面談を活用し、障害のある方がIT職への第一歩を踏み出しやすい環境も整いつつあります。対面では話しにくい不安や疑問も、チャットであれば自分のペースで相談しやすいという声も多く聞かれます。
IT業界で障害者雇用が進みにくい背景
IT業界で障害者雇用が進みにくい背景には、いくつかの要因があります。業務特性やはたらき方、採用に対する企業側の考え方などが影響し、雇用のハードルが高くなっていることが実情です。ここでは、主な要因を解説します。
勤務形態の課題:テレワーク・フレックスで何が変わるか
IT業界で障害者雇用が進みにくい理由のひとつに、勤務形態が適していない点があります。IT業界では、案件ごとに顧客先ではたらく「客先常駐」となることがあり、勤務地や人間関係が変わりやすく、柔軟な対応が求められます。環境の変化に負担を感じやすい障害のある人にとって、こうした働き方はハードルが高くなる場合があります。
コミュニケーションの不安をどう解消するか(チャット相談・面接対策)
IT業界には、チームでの業務や顧客対応など、コミュニケーションが欠かせない職種が多くあります。スケジュール調整や進捗報告、情報共有など、日常的なやり取りが求められます。障害の特性によっては、こうしたコミュニケーションに不安を感じる人も少なくありません。
ただし、事前にチャット相談や面接対策を通じて自分の特性や必要な配慮を整理しておくことで、選考や入社後のミスマッチを減らすことができます。「うまく話せるか不安」という場合も、チャット形式であれば自分のペースで伝えやすいというメリットがあります。
企業が採用に慎重な傾向がある
IT業界の企業が採用に慎重な傾向がある点も、障害者雇用が進みにくい理由のひとつです。IT業界では、業務に関わる新しい技術を継続的に学び続ける必要があります。技術の進化が速く、短期間で新しい知識が求められるため、日々の学習が欠かせません。
一方で、障害のある人が負担なく長くはたらける体制を整えることは容易ではありません。障害への理解を深めるための教育やサポート体制の構築には手間やコストがかかるため、雇用に慎重になる企業もあります。
IT職の障害者雇用で活躍する業務領域と事例
IT業界では、障害者が活躍できる業務領域が広がっています。業務内容や特性に応じた適切な配慮により、さまざまな分野で活躍が可能です。ここでは、具体的な業務領域ごとの事例を紹介します。
アプリテスト・デバッグ業務における事例
LINEヤフー株式会社では、Yahoo!ショッピングのモバイルアプリにおけるリリース前テストを外部委託から切り替え、障害者雇用によって内製化しています。障害者雇用で採用された担当者は、経験やスキルに応じて、テストケースの見直しや不具合の動作確認、画面構成図の作成などを行います。
業務では、集中力や継続力、正確さに加え、細部まで丁寧に確認する姿勢がいかされています。その結果、外部の専門業者では見つけられなかった不具合の発見にもつながっています。
アノテーション業務における事例
株式会社メルカリでは、AIに学習させるデータを作成するアノテーション業務で、障害のある人が活躍している事例が多くあります。国内最大級のフリマアプリを運営しており、「AI出品」など、サービス向上に向けて幅広くAI技術を活用しています。これらの機能開発では、作業に集中して取り組めるという発達障害の特性がいかされています。
Webアプリ開発業務における事例
日揮ホールディングス株式会社の特例子会社「日揮パラレルテクノロジーズ株式会社」は、「障害の有無に関わらず、全ての人が対等で、社会的意義を感じながら持てる技術を発揮してはたらける社会の実現」をミッションに掲げています。
高度なITスキルを持つプログラマーが、既存システムの改修からアプリケーション開発まで幅広く対応しています。グループ内では優先度の都合で後回しになりがちな案件を担うことで、高い専門性を活かしながらグループ全体への貢献につなげています。
サイバーセキュリティ領域における事例
ゲームやモバイル、Webサイトのデバッグを手がける、株式会社デジタルハーツの特例子会社「株式会社デジタルハーツプラス」は、サイバーセキュリティ分野で、特性にばらつきのある人材の育成と活用に取り組んでいます。
育成プログラムの受講者からは、国際資格のCEH(EC-Council Certified Ethical Hacker)や国家資格の情報処理安全確保支援士を取得する人材も複数輩出されています。
IT職の障害者雇用を拡大するための企業の取り組み
IT業界で障害者雇用を拡大するには、採用や受け入れ体制を見直すことが重要です。ここでは、企業が取り組むべき具体的なポイントを解説します。
障害特性ではなく志向と職業準備性を重視した採用方針を設計する
障害特性だけで判断せず、本人の志向や能力、自社との適性を見極めることが重要です。自己理解が進み、必要な配慮を把握し伝えられる人材は、定着や活躍の可能性があります。また、選考では職業準備性を確認し、適した業務とのマッチングの検討が欠かせません。民間の職業紹介サービスや就労移行支援事業所を活用することで、採用の可能性を広げられます。
企業全体で障害理解を深め、雇用の定着を図る
IT業界の障害者雇用を拡大するためには、企業全体で障害に関する理解を深め、雇用の定着を図ることが大切です。地域の支援機関やハローワークを活用しながら進めると効果的です。
採用後は、社内や配属先で理解不足によるトラブルを防ぐ必要があります。障害の特性や必要な配慮を共有することで、定着しやすくなります。あわせて、人事と配属先が連携し、定期的なフォローと迅速に対応できる体制を整えることが重要です。
技術職・専門職における障害者人材の活用の可能性を整理する
技術職や専門職での障害者人材の活用の見通しも整理しておくことが重要です。バックオフィスに限らず技術職や専門職でも、障害のある人がはたらいています。近年は、スキルを重視して採用する企業も増えているため、必要なスキルや能力を満たし、適切な配慮があれば就業は可能です。
特に発達障害のある若い世代には、正確さや緻密さに強みを持つ人も多く、技術職での活躍が期待されます。就労移行支援事業所と連携し、インターンや研修を通じて人材を見極める方法も有効です。
採用ターゲットを再検討する
IT業界の障害者雇用を拡大するためには、採用ターゲットを再検討することも欠かせません。経験や職務能力などがあったとしても、1年以上の実務経験や、雇用形態や給与などで応募条件に達しない場合があります。採用ターゲットを再検討することで、人材確保や母集団の拡大につながります。
IT職の障害者雇用の検討なら「Neuro Dive」のチャット相談・オンライン面談がおすすめ
IT業界での障害者雇用ではたらくことを検討している場合は、「Neuro Dive」のチャット相談やオンライン面談の活用がおすすめです。Neuro Diveは、AI(機械学習)やデータ分析(データサイエンス)などの先端ITスキルに加え、RPA(業務自動化・業務効率化)コースも提供する就労移行支援事業所です。利用者が携わっている業務例は、以下のとおりです。
- マーケティングなどの分析、可視化
- 自然言語処理などに用いるAIモデルの開発
- RPAによる業務改善
- DX推進
「まずは話を聞いてみたい」という段階から、チャット相談やオンライン面談で気軽に相談できます。
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よくある質問
就労移行支援事業所の利用やIT職への就職を検討するなかで、不安や疑問を感じることもあるでしょう。ここでは、チャット相談や就職支援についてよくある質問と、その回答をまとめました。
チャット相談では、どんなことを相談できますか?
就職に向けた不安や疑問など、幅広い内容を相談できます。「自分の障害特性でIT業界ではたらけるか」「どんな業務が向いているか」「選考に向けて何を準備すればよいか」といった内容に対して、専門スタッフが一緒に整理をサポートします。対面が難しい場合も、チャット形式であれば自分のペースで相談できます。
職務経験がなくても相談できますか?
はい、職務経験がなくても相談できます。Neuro Diveでは、未経験からAIなどの先端ITスキルを習得できるカリキュラムに加え、RPA(業務自動化・業務効率化)コースも独立して用意しています。「ITの知識がゼロ」という方でも、個別の学習計画をもとに段階的にスキルを身につけることができます。
障害者手帳がなくても利用できますか?
就労移行支援事業所のご利用は、障害福祉サービス受給者証の取得が必要です。この受給者証は障害者手帳の有無にかかわらず、自治体よりサービスが必要と認められた方は取得可能です。詳細は自治体の窓口でご相談ください。
就職後のサポートはありますか?
はい。Neuro Diveは就職後の定着支援を実施しています。職場での不安や課題を相談でき、コミュニケーションや業務面も専門スタッフが継続的にサポートします。長く働き続けるための伴走を提供します。
Neuro Diveの活用:AI・RPAの学習から模擬実務、就職支援まで一貫伴走
IT業界で障害者雇用を進めるには、業務特性への理解に加え、採用基準や体制の見直しが重要です。適切な配慮とマッチングを行えば、技術職を含め多様な分野で活躍の可能性があります。
Neuro Diveは、AIなどの先端ITスキルおよびRPA(業務自動化・業務効率化)コースを通じて就職を目指せる就労移行支援事業所です。個別学習計画の作成から模擬実務演習、面接・就職支援まで一貫してサポートし、独学では得にくいフィードバックや実務の再現力を補います。説明会を実施しているので、気になる人はぜひお申し込みください。