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2026.07.01

コラム

 

大人の発達障害の種類一覧|ASD・ADHD・LDの特性と仕事の困りごと・対処法

発達障害

「もしかして自分は発達障害かもしれない」と感じたことはありませんか。近年、大人になってから発達障害に気付くケースが増えています。仕事や人間関係の悩みの背景に障害特性が関係していることも多く見られます。

しかし、発達障害には複数の種類があって人それぞれ特性が大きく異なるため、あなたに合わせた仕事の探し方や支援が必要です。本記事では、大人の発達障害の種類を一覧形式で分かりやすく整理したうえで、仕事での困りごとや対処法、利用できる支援サービスについて解説します。


発達障害とは

発達障害は、生まれつきの脳機能の特性によって、認知・行動やコミュニケーションの方法などに偏りが生じる状態を指します。近年では、こうした特性が大人になってから表面化し、仕事や人間関係の悩みの原因になる「大人の発達障害」が増えています。発達障害は単なる性格や個性とは異なり、生活や仕事に明確な支障が生じるため、困りごとの軽減には適切なサポートを受けることが重要です。


大人の発達障害の種類一覧

ASD ADHD LD

大人の発達障害で見られやすい代表的な障害の種類は次の3つです。


発達障害の種類 代表的な障害特性
ASD(自閉スペクトラム症) 対人コミュニケーションの課題や強いこだわり
ADHD(注意欠如多動症) 不注意・多動性・衝動性など
LD/SLD(学習障害) 読み書きや計算など特定の学習分野の困難

なお、これらの発達障害は単独ではなく、複数の特性が併発するケースもあります。「自分がどの種類に当てはまるか」よりも、どのような場面で困りごとが生じやすいかについて、理解を深めることが大切です。


ASD(自閉スペクトラム症)

ASD(自閉スペクトラム症)は、対人コミュニケーションの難しさや、特定分野への興味・こだわりの強さが表れやすい発達障害です。スペクトラム(連続体)という名称のとおり、特性の内容や強さには大きな個人差があり、大人のASDでは次のような形で表面化しやすくなります。


  • 雑談や社交的な会話は苦手だが、業務連絡は問題なくこなせる
  • 「いい感じにやっておいて」といった曖昧な指示に対応しづらい
  • 興味関心のないことには集中力を発揮しづらい

一方で、ASDの次のような特性は、職種や環境によっては大きな強みとなります。


  • 高い集中力と持続力
  • 論理的思考やパターン認識能力
  • ルールや手順を正確に守る力

IT系や研究・分析職などの分野では、これらの特性が評価されやすい傾向があります。


ADHD(注意欠如多動症)

ADHDは不注意・多動性・衝動性といった特性を持つ発達障害で、さらに次の3タイプに分類されることがあります。


タイプ 主な障害特性
不注意優勢型 ケアレスミスや確認漏れが多い
物の管理が苦手でよくなくす
長時間の集中が難しい
多動・衝動性優勢型 じっとしているのが苦手
思い付いたことをすぐ口に出してしまう
衝動的な行動が多い
混合型 不注意優勢型と多動・衝動性優勢型の両方を併せ持つ

大人のADHDでは、次のような形で課題が生じやすいです。


  • 納期管理が苦手でタスクが滞りやすい
  • 優先順位の判断が難しく重要でない作業に時間を使う
  • アイデアは豊富だが実行や継続が難しい

一方で、発想力や行動力の高さが強みとして活かされる場面もあります。


LD/SLD(学習障害)

LD/SLD(学習障害)は、特定の学習能力に困難が生じる障害で、主に次のような種類があります。


読字障害(ディスレクシア) 文章を読むのに時間がかかる
読み間違いが多い
長文読解が苦手
書字障害(ディスグラフィア) 文字を書くのが極端に遅い
漢字やスペルの誤りが多い
書くこと自体に強い負担を感じる
算数障害(ディスカリキュリア) 計算が極端に苦手
数字の概念理解が難しい
暗算やお金の計算で混乱する

大人のLD/SLDでは、次のような場面で困難が生じやすくなります。


  • 書類作成やメール対応に時間がかかる
  • 資格試験や筆記試験で本来の実力を発揮しにくい
  • 数値管理や経理業務に強い苦手意識を持つ

一方で、特定の分野で優れた能力を持つ傾向があるため、適切なツールの活用により、クリエイティブ分野や設計業務などでパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。


大人の発達障害が増えている理由

大人になってから、生活や仕事などで課題を感じるようになって初めて、自身が発達障害であることに気付くケースも見られます。こうした「大人の発達障害」が増えている主な理由が、子どもと大人では次のように「求められる能力」に違いが出ることです。


  • マルチタスク処理
  • 高度なコミュニケーション能力
  • 臨機応変な対応力

家庭や学校といった比較的単純な環境とは異なり、大人になると高度な社会性が求められます。これにより、子ども時代には子どもらしさや個性の範囲として表面化していなかった特性が、「仕事がうまくいかない」「人間関係が続かない」といった形で出てくるのです。


「代償的機能」で周囲は気付きにくいことも

一方で、自身の発達特性に違和感があっても、周囲に気付かれていないケースもあります。これは、本来苦手な行動を経験や知識で補う「代償的機能」がはたらいているためです。例えば、「会話の中で空気を読むのが苦手」という特性があっても、過去の経験や書籍などでパターンを学ぶことで、表面的には問題なくコミュニケーションが取れているように見える場合があります。

しかし、このような状態はストレスや疲労が蓄積しやすいため、はたらく際には仕事内容や環境を調整するなど、特性に合った配慮を受けることが重要です。


大人の発達障害かも?セルフチェック方法と診断の流れ

大人の発達障害かも?セルフチェック方法と診断の流れ

「自分に発達障害の特性があるのではないか」と感じた場合、現状を客観的に把握するために「セルフチェック」はひとつの手段です。ただし、セルフチェックにはバイアス(偏り)が生じやすいため、専門機関での診断も必ず受けましょう。


簡易セルフチェックの使い方

インターネット上には、発達障害の傾向を確認するためのチェックリストが存在し、次のポイントを意識すると精度が高まります。


  • 一時的な状態ではなく「長期的な傾向」で判断する
  • 仕事・家庭など複数の場面で共通しているかを確認する
  • 幼少期から似た傾向があったかを振り返る

例えば「最近ミスが多い」というだけでなく、「昔から忘れ物が多い」「複数の環境で同様の課題がある」などの一貫性が重要です。また、家族や身近な人の視点を取り入れることで、自分では気付きにくい特性も見えてきます。「専門家の診断を受ける前に自分で確認したい」という方は、次のセルフチェックを試してみてください。



医療機関での診断プロセス

発達障害の有無を正確に判断するために、次のようなプロセスで医療機関の診断を受ける必要があります。


  1. 精神科・心療内科で受診する
  2. 問診・ヒアリングが行われる
  3. 必要に応じて心理検査を実施する
  4. 複数回の診察を経て総合的に診断される

知能検査・心理検査では、認知機能の偏りや特性が定量的に測定されます。これらの検査結果を統合して慎重に診断が行われるため、即日で結果が出るケースは少ないです。


大人の発達障害に共通する困りごと

大人の発達障害に共通する困りごと

発達障害の特性は人によって異なりますが、大人の場合は日常生活・仕事・メンタル面で困難が生じやすい点では共通しています。ここでは、どのような場面で困りごとが生じやすいのかを見ていきましょう。


日常生活での課題

発達障害の特性による影響は日常生活全般、特に自己管理能力に関連する部分に及びます


時間管理・金銭管理が難しい

ADHDやASDの特性の影響で、時間感覚や計画性に関する実行機能に偏りがある場合、次のような課題が生じやすいです。


  • 遅刻やタスク遅延が多い
  • スケジュール管理が苦手
  • 衝動買いや無計画な支出が多い

これらは「だらしない性格」などと誤解されやすいですが、実際には発達障害の影響なので自身でコントロールすることが難しいでしょう。


感覚過敏・鈍麻がある

ASDに生じがちな感覚に関する特性によって、外部刺激に対する反応が極端になることがあります。


  • 音や光に過敏で疲れやすい
  • 特定の素材や匂いが強いストレスになる
  • 痛みや温度変化を感じにくい

生活環境や通勤・通学が負担となり、パフォーマンス低下につながるケースも多いです。


強いこだわりで生きづらい

ルーティンや特定の手順へのこだわりが強い場合、次のような課題が生じやすくなります。


  • 予定変更に強い不安を感じる
  • 自分のやり方を変えられない
  • 細部にこだわりすぎて作業が進まない

柔軟な対応が求められる場面で困難が生じやすいため、生きづらさを感じることが増えるでしょう。


仕事での課題

抽象度の高い表現の理解やマルチタスクの作業など、複雑な能力が求められることが増えるため、就労や人間関係に影響が出やすくなります。


ミスや抜け漏れが多い

ADHDによって不注意の特性がある場合、確認不足や見落としが頻発しやすいです。


  • タスクの抜け漏れ
  • 数値入力ミス
  • メールの添付忘れ

自分では注意しているつもりでも、どうしても単純なミスを繰り返してしまいます。発達障害への理解が得られない環境の場合、「努力不足」「能力不足」と評価されがちです。


マルチタスクが苦手

複数の業務を同時に処理する能力が求められる場面で、次のような課題が生じます。


  • 優先順位が付けられない
  • 途中で別の作業に気を取られる
  • 納期の管理が難しい

「仕事が遅い」「段取りが悪い」と評価されることが増え、自己評価の低下につながる場合があります。


対人関係のストレスが多い

ASDの傾向がある場合、曖昧な表現や暗黙のルール、非言語的コミュニケーションを理解しづらく、対人関係が大きな負担となります。


  • 雑談や空気を読むことが苦手
  • 相手の意図を誤解しやすい
  • 率直すぎる発言でトラブルになる

これにより、業務遂行能力とは別の理由から評価を下げてしまうケースも少なくありません。


メンタル面での課題(二次障害)

環境への不適合や失敗体験の蓄積によって、次のようなメンタル面での課題も多く見られます。「なぜ自分だけできないのか」という経験が繰り返されることで、自己評価が低下してしまうのです。


  • 過度な自己批判
  • 挑戦を避けるようになる
  • 他者との比較による劣等感

孤立感やはたらきづらさを感じやすくなるうえに、「うつ病」「不安障害」「適応障害」といった精神疾患を併発する「二次障害」のリスクも高まります。メンタル面での課題には、個人の努力だけで解決しようとするのではなく、自分の特性に合った環境や対処法を見つけることが重要です。


大人の発達障害への対処法

大人の発達障害への対処法

発達障害は生まれつきのものであり、何らかの治療をして治るというものではないため、「特性を理解して適切にコントロールする」ことが大切です。次のポイントを意識することで、生活や仕事の困りごとを緩和しやすくなります。


タスク管理ツールの活用

タスクやスケジュール管理で課題がある場合は、次のような仕組みづくりが効果的です。


  • タスク管理アプリで業務を可視化する
  • リマインダーやアラームを多重に設定する
  • チェックリスト化して「抜け漏れ」を防ぐ

外部ツールを仕事で活用することで認知負荷を軽減し、パフォーマンスの向上につながります。


業務の分解・視覚化・ルーティン化

抽象的な指示や複雑なタスクは、そのままでは実行に移すことが難しいため、次のように工夫しましょう。


  • タスクを細かい工程に分解する
  • 手順書やフローチャートを作成する
  • 重要度と緊急度で優先順位を明確化する

職場では抽象的ではなく具体的な指示を出してもらうなど、合理的配慮を申し入れることも重要です。意思決定や行動に時間がかかりすぎる場合は、次のようにルーティン化してみましょう。


  • 毎日のスケジュールを固定化する
  • 作業手順をテンプレート化する
  • 同じ時間・同じ方法で行動する

ストレスマネジメント

発達障害の特性はストレスが高まると悪化しやすいため、次のような方法でストレスを軽減することが重要です。


  • 感覚過敏への対策
  • 適度な休憩を断続的に行う
  • 対面コミュニケーションの削減

感覚過敏への対策としては、イヤーマフによる騒音の削減や、サングラス着用でのまぶしさ軽減などが挙げられます。また、業務連絡や指示は口頭ではなくチャットツールなどを利用しテキストベースで行うなど、コミュニケーション面での合理的配慮も必要です。


医療や支援サービスの活用

ADHDの場合は、注意力や衝動性を調整するための治療薬があります。また医療機関では、心理的アプローチとしてカウンセリングが行われるケースがあり、行動や認知のパターンを整理しやすくなります。就労に関しては「就労移行支援」を活用することで、発達障害の特性に合わせたはたらき方やセルフケアなどを身に付けて、就労のための準備を整えることが可能です。


大人の発達障害のある方が利用できる支援サービス


就労移行支援とは

就労移行支援は、障害のある人が一般企業で就労するために、スキル習得や転職・就職活動をサポートする支援サービスです。障害者手帳をお持ちでなくても、障害福祉サービス受給者証があれば通所できます。

専門スキルだけではなく、コミュニケーションスキルやビジネスマナーなども習得し、就労準備を整えることが可能です。さらに、履歴書作成や面接対策、転職・就職後の職場定着支援も受けられるため、就労に不安がある方に適しています。


大人の発達障害に特化した支援の重要性

発達障害のある方は、得意なこと・苦手なことの偏りが大きい傾向があります。言い換えれば、次のような得意分野を活かすことで、仕事でパフォーマンスを発揮しやすくなるということです。


ASD 高い集中力や論理的思考
ADHD 発想力や行動力
LD/SLD 特定分野における独自の視点や理解力

こうした特性は、IT業界と特に相性が良いと考えられています。ITに特化した就労移行支援事業所「Neuro Dive(ニューロダイブ)」では、次のような先端ITスキルを習得可能です。


  • データサイエンス
  • AI・機械学習
  • プログラミング
  • RPA(業務自動化)

さらに、個々の実行機能の特性に応じた学習設計やタスク・スケジュール管理の方法など、実務で役立つ知識も学べます。「専門スキルを身に付けたい」「発達障害の特性を活かしたい」という方にとって、Neuro Diveはキャリア形成の選択肢となるでしょう。


大人の発達障害で就労の悩みがある方は「Neuro Dive」にご相談ください

大人の発達障害で就労の悩みがある方は「Neuro Dive」にご相談ください

ITに特化した就労移行支援事業所「Neuro Dive(ニューロダイブ)」では、発達障害の特性をIT業界で活かすためのサポートが受けられます。論理性や集中力など、発達障害の特性と親和性の高いIT分野にフォーカスし、個々の強みを活かすキャリア設計を行います

これにより、未経験からでも専門職へのステップアップを目指すことが可能です。スキル習得にとどまらず、履歴書作成や面接対策、就職後の定着支援まで一貫してサポートいたします。無料体験もできますので、就労やはたらき方への不安がある発達障害者の方は、この機会にぜひご相談ください。

この記事の監修者

パーソルダイバース株式会社 人材ソリューション本部 事業戦略部 ゼネラルマネージャー
戸田 幸裕(とだ ゆきひろ)

上智大学卒業後、損害保険会社で法人・官公庁営業を経て、2012年、インテリジェンス(現パーソルキャリア)へ入社し、障害者専門のキャリアアドバイザーとして求職者の転職・就職支援に携わったのち、パーソルチャレンジ(現パーソルダイバース)へ。2017年より法人営業部門のマネジャーとして約500社の採用支援に従事。その後インサイドセールス、障害のある新卒学生向けの就職支援の責任者を経て、2024年より現職。

【保有資格】国家資格キャリアコンサルタント、障害者職業生活相談員